2014年08月27日

映画『ジャイアンツ』壮大な西部劇の挽歌/感想・あらすじ・解説・意味

これが最後の西部劇だ!!



評価:★★★★★ 5.0

どっぷりと映画に埋もれたいという時があって、そんな時に見たいと思う一本。
これぞハリウッド黄金期を代表するジョージ・スティーヴンス監督1956年作品。
201分の長編だが、この映画と「風と共に去りぬ」でアメリカの歴史は分かったつもりになっている。

『ジャイアンツ』あらすじ

テキサスで59万エーカーの途方もない牧場の経営者ジョーダン・ベネディクト2世(ロック・ハドソン)は、東部の名家からレズリー(エリザベ・テイラー)を妻に迎えた。東部とは異なる生活習慣や、夫の姉ラズ(マーセデス・マッケンブリッジ)の冷淡な態度にも苦しむが、レズリーは少しずつ西部に適応して行った。その牧場に働くカウボーイのジェット・リンク(ジェームズ・ディーン)は、レズリーに思いを寄せていた。そんな彼は、ラズが事故で亡くなった時、牧場の一角を譲り受け、彼は油田採掘に乗り出す。そして、ついに掘り当てた原油を全身に浴び、酔ってベネディクト家に行き、レズリーに言いよったため夫のジョーダンに殴られる。こうして、ジョーダンとジェットの確執は深くなっていった。そして、時は流れジェットは、米国でも屈指の大富豪になった。そして、ジョーダン一家を、豪華ホテルの落成祝賀パーティに招待した。ジェットに敵愾心を燃やすジョーダンは、自家用機ダグラスDC機を購入し一家で乗り込んだ。その祝賀パーティの席で、両者はついに対決の時を迎える・・・・・・

『ジャイアンツ』予告


(原題GIANT/製作国アメリカ/製作年1956/上映時間201分/監督ジョージ・スティーヴンス/脚本フレッド・ガイオル、アイヴァン・モファット/原作エドナ・ファーバー)

『ジャイアンツ』出演者

ジョーダン・ベネディクト2世(ロック・ハドソン)/レズリー(エリザベス・テイラー)/ジェット・リンク(ジェームズ・ディーン)/ヴァシタイ(ジェーン・ウィザース)/バウリー叔父さん(チル・ウィルス)/ラズ・ベネディクト(マーセデス・マッケンブリッジ)/ジョーダン3世(デニス・ホッパー)/ラズ2世(キャロル・ベイカー)/アンヘル2世(サル・ミネオ)/デヴィッド・カーフリー卿(ロッド・テイラー)

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『ジャイアンツ』感想・解説


舞台は第一次世界大戦から第2次大戦後の30年間に及ぶ、テキサスの大牧場の家族史であると同時に、アメリカ西部開拓史の終章を壮大なスケールで描いたもの。

テキサスの大牧場主役のロック・ハドソンと東部から来た妻エリザベス・テーラー、そしてこの牧場に働く若きカウボーイがジェームス・ディーンである。
そしてこの映画の時代は西部に開拓すべき余地が無くなり、フロンティアの喪失がアメリカ人の心に重くのしかかっているという時代的背景を持つ。

その舞台の上で、西部開拓の正統的な相続者のロック・ハドソンと西部のならず者ジェームス・ディーンが拳銃の代わりに、富を武器として戦い、東部からのレディ(西部劇ではしばしば学校の女教師が東部から来る)、エリザベス・テーラーを奪い合うという構図である。

しかしこの西部劇が従来のそれと違うのは、すでに開拓地がなくなり国境線が確定した土地を管理・調整・開発するという時代に移行したことである。
またそれに伴い、隣国のメキシコとの間に配慮が必要だと描かれている。

つまりかつての絶対的悪役インディアンは、もう存在しないのだ・・・・そういう背景の中で、二人の西部男が常に注視せざるを得ないのが東部(政治・経済の調整者)の女性であるのは必然なのである。
 
つまりこの映画は、闘い・殴り合い土地を取り合うという、男たちを熱くした「西部劇」の時代が二度と戻らないのだという、悲しい挽歌なのである。

それゆえ、この戦いのクライマックスが、陰惨で、何の爽快感も無く、むしろ後味の悪さが残るのは、もう西部劇のような「腕力=男の能力」として反映され得ない時代だという事を表している。
 
ちなみに、この映画の監督は西部劇「シェーン」の監督である。
この監督は、自分で西部劇に幕を引きたかったかもしれない・・・・

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posted by ヒラヒ・S at 22:59| Comment(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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