2014年09月12日

映画『愛する人』命を紡ぐ者たち・感想・意味・解説

「母と子」の奇跡、「母と子」の軌跡・・・



評価: ★★★★★ 5.0

知人に10年ほど前に離婚したという男性がいる。
その男性は10年間子供に会っていないと云う。
会いたくないか?と聞いてしまった。
答えは「男にとって子供は、他人だ」というものだった。
いまひとつ納得できなかったのだが・・・・

しかし、この映画。

女たち・・・・・

女にとっての子供・・・・・なるほど、納得せざるを得ない。

子は母親のものだ。

母と子、命を分けあった、命を共有する二人・・・

それはそういうことなのだ。

人が命を紡いできた最初から、それは紛うことなき真実なのだ。

女性にとって、命を産み育てる行いは、かけがえがなく、人生に組み込まれた必然なのだろう。

命を産む選択、命を産まない選択、命を手放す選択、そして命を産めない肉体。

女と命をめぐる物語は、対立であり、衝突であり、苦悩であり、恐怖であり、時としてありえないほど残酷だ・・・・・

しかし、それにもまして「感動的」だ。

なぜなら新しい命、新しい希望によってしか、過去の痛みを癒す術はないのだから。

そんな母と子の相克は、劇的なドラマの戦いとして在るのではない。

ただ日常の中に淡々と・・・・・命がある限り、世代を重ねるたびに、永遠に打ち寄せる波のように。

静かに重なる一分一秒・・・・・それは今この瞬間も更新し続けている、「母と子」の奇跡。
静かに過ぎ去る一分一秒・・・・・それは今この瞬間に積み重なっていく、「母と子」の軌跡。

たしかに女性という存在は否応無く「愛する人」たらざるを得ない。

2009年のロドリゴ・ガルシア監督作品。
女と命の残酷さと希望を、静かに動く秒針のように、揺れず、跳ばず、描写して・・・・
映画で語られた時間が、そのまま自分の人生の時間と同調する、そんな映画です。



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posted by ヒラヒ・S at 22:58| Comment(0) | イギリス映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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