2015年08月03日

幸せへのキセキ

動物園を買っちゃうんですか?




評価:★★★★   4.0点

この映画は、見終わった後に勇気をくれる、ハートウォーミングな一本だと感じました。
ハリウッド映画らしく、映画技術にオカシナ部分はなく、特に脚本の盛り上がりの作り方は、地味な題材を元にドラマをどう作れば良いかといういいお手本のように思います。

俳優陣も主人公のマット・デイモン、ヒロインのスカーレット・ヨハンソンで、男女の観客のニーズを確実に満たしています。
さらに出色なのが娘役の マギー・エリザベス・ジョーンズで、まぁ〜カワイイこと。こんな娘のためならオトーサン頑張らざるを得ないでしょう。
この配役のおかげで「家族みんなで見れる作品度数」を高くしているように思います。
さらに言えば、この映画は実話を元にした作品です。
その原作本がすでに世間に認知されているとなれば、世間では公開を待っているという状態に近いでしょう。

どこにも穴がない完璧なハリウッド戦略です。
ほぼ投資額は回収できることは、予め約束されたようなものです。

こんな、映画とお金にまつわることを延々と書いてきたのは、じつはこの映画の感動と不可分の関係にあると感じたからです。

この映画は母親を喪った傷から立ち直れない家族が、私財を投げ打って動物園を買って、動物園とともに家族も再生させるという物語です。
もちろんそうなるまでの、政府の役人の横槍だとか、スタッフとの確執だとかがあって、それを乗り越える部分で感動が生まれるわけですが・・・・・・個人的に、一番感動したのは、状況が悪くなったときに飛ぶ勇気に対してでした。

この、土壇場の切羽詰った状態でチャレンジするという考え方は、やっぱり日本人には難しい気がします。
農耕民族で、地道に地べたを耕すことで利を得る日本人は、まじめに汗を流せば結果はついてくると考えがちです。
しかし、狩猟民族の西洋文化に有っては、獲物を取るためには危険を冒して移動しなければなりません。
そこで大事なのは、日々の努力ではなく、獲物の数と危険=旅とのバランス関係です。

つまり狩猟民族にとって、利益はリスクと表裏一体です。
逆に、リスクがなければゲイン=利益もないという事実を、基本的な常識として持っています。
だからこそ、危険を冒して成功を収めたこの映画のような内容が賞賛される訳です。

そんな狩猟民的な性格を最も端的に表しているのが、株などの投資ではないでしょうか?
日本人は一般的に、投資をバクチ、ギャンブルだと捕らえていませんでしょうか?

世界的に言えば投資とは、コストに対するリターンで計られます。
つまり、まともな資産運用感覚として、全体の資産のうち70%を定期預金にし、20%を投資ファンドに運用させ、残り10%をハイリスクな株や外国為替にまわすというように、それぞれの人生目的に合わせてリスクとリターンを検討し、不確定な未来に対する備えを個々人が自己責任において決定するのです。

そんな考えがあってこその、この映画であって、結局ハイリスク・ハイリターンを勝ち取った、この主人公は狩猟民族にとっての英雄である訳です。

そんなことを踏まえつつ、日本の状況を考えると日常においてこの、リスクとゲインの訓練がなく、リスクを犯すのは本当に切羽詰った状態なので当然失敗も多くなり、やっぱりリスクはとらないほうがという、世間的な評価となっているように思います。

しかし、これだけ世界経済の中でモミクチャになっている日本です、狩猟民族は日本の富を放ってはおきません。
常識としてリスクとリターンのバランス感覚を養うべき時期ではないでしょうか。

例えば、この映画の原題「We Bought a Zoo = 私たちは動物園を買った」というタイトルは、たぶん日本では観客にアッピールしないと判断したからこその「しあわせのキセキ」というような、なんだか訳の分からない題になったんだろうと思います。

けれどもこの原題を見たときに、「すごい挑戦したなぁー」なんて、狩猟民族は遺伝子ごと血が騒ぐのだろうと想像します。

さぁ、農耕民族の皆さん、「動物園で一山当てろ!」って映画、見に行ってくれます?

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posted by ヒラヒ・S at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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