2015年10月11日

赤ちゃん泥棒

コーエン兄弟なのにコーエン兄弟じゃない!!



評価:★★★    3.0点

ニコラス・ケージ、ホリー・ハンター主演のアクション・コメディーなんせ、1987年作品だから二人とも若い。

ニコラス・ケージ演ずるコンビニ強盗が、警察官のホリー・ハンターと結婚する。

不妊症で子宝に恵まれない所に、アリゾナ家具チェーンの社長に五つ子が生まれたと聞き、夫婦で赤ん坊の一人を盗み出し、その赤ん坊をめぐって、賞金稼ぎや、銀行強盗も加わり、大騒ぎになる。
原題「ライジング・アリゾナ」の意味は、「アリゾナ家の子供を育てる」という題かと思ったが、「アリゾナの騒動」「アリゾナの夜明け」なんて意味も思い浮かぶ。
「ライジング」という単語の持つ語彙しだいで、この題名は幾つにも解釈が可能だろう。
実際、そんなどう解釈すべきかの混乱は、この映画全体に共通するようにも思う・・・・・・

この映画は公開当時、そのアクションに追従するカメラの動きが話題になった。
映画全体としての評価は、アクションコメディーとしては、標準よりも若干良いかという印象。
一回は楽しいと思う・・・・・・でも何度も見るかといえば・・・・・という作品。

では、なぜ紹介するかというと、コーエン兄弟のメジャー第一作だからだ。

この映画ですでに、後の映画のモチーフとなる、誘拐だとか、悪夢的イメージ、女性警察官、アイロニー、どこか調子の外れた犯罪者などが、出てくる。
しかし映画全体として、映像のリズムや、演技の間、時間感覚などコーエン的とは言い難いのである。

この理由が何か考えたくて書いているのだが・・・・・つまるところ他のコーエンの映画で顕著な、テーマと映像表現のシンクロが無いという事につきるような気がする・・・・

本作で、善悪というのが犯罪行為によるものでなく、愛を他者に持てるか否かだとか、善悪の中間にいる主人公達が赤ん坊の持つ力で善に戻るなど、結構しっかりとコーエン的テーマが語られるが、映画全体で浮遊し、不安定に見え隠れする印象なのである。
 
これは、コーエン兄弟がメジャーデビューという事で、娯楽性を優先したせいなのか・・・・または、まだまだ発展途上で習作に近い作品なのか・・・・・それとも、この作品では例えば、ロバート・ゼメキスのようなプロのハリウッド映画監督(?)になれるか試したのだろうか・・・・・たぶん、これが一番怪しいのだが、映画会社側の意見が強く、思うように撮れなかったという・・・・・

やっぱりこの兄弟が万人受けする作品で満足できるほど、協調性があるように思えないし(ほめ言葉です)
 
いずれにしても、素材、テーマがコーエン的で、しかもコーエン兄弟作品でありながら、コーエン的でないという変な映画だった。
 興味があればお試しください。

ところでこの映画の過剰な「アリゾナ」押しは、どういう意味なんだろう・・・・・
ニコラスケージの英語も南部ナマリだし・・・・
なんか「アリゾナ」がらみでアメリカ人なら知っている話があって、そのヒネリだったりするのだろうか・・・・・・
誰か知っていたら教えてください。

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posted by ヒラヒ・S at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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