2016年01月20日

ア・ビガー・バン

ストーンズの奇跡



評価:★★★★★  5.0点

このアルバムに関しては、もはや奇跡としか言いようがない。

いや、ザ・ローリング・ストーンズの存在自体が奇跡なのだ!

このアルバムにしてから2005年の発表だから、すでに10年近くになろうとしている。
個人的にはローリング・ストーンズの跡を律儀に追ってきた積りだが「 ヴードゥー・ラウンジ (1994) 」辺りから心配になってきた。

力が衰えたからではない。

力が衰えなかったからだ。

ヴードゥー・ラウンジの時には、50代のメンバーが30〜40の頃と変わらぬパフォーマンスを聞かせていたし、ボーカルのミック・ジャガーなどはむしろ更にうまくなっているようにすら思えた。
昨今のテクノロジーを考えれば、実は人工的に合成したのではないかとすら疑った。
もしかしたら、ミックはすでにコンピューターの中にデジタル化されて、存在しているのではないかと恐れた。

何を言う、ライブをやっているではないかという意見もあるだろう。

しかし、ほぼ単発のコンサートで、バリバリのプラチナチケットが手に入るはずはない。
それゆえ、実際この目で見ていないのだから、疑念は深まるばかりだ。
DVDだってCG加工でどうにでもなるでは無いか。

そして、このアルバムである。
いい出来だと思う。
ストーンズのアルバムとして、個人的にはベスト5に間違いなく入ってくる。

だから更に疑念は深まるのだ。

ミック・ジャガーはこの時60歳代だ。
一説には1000人は孫がいると言われているほど、遊びまくってきた男だ。
キース・リチャーズにしても、筋金入りのジャンキー(コカイン中毒)だ。
中毒症状を解消するために、全身の血液を総入れ替えしたという伝説を持つ。(体内の血を入れ替えると薬物中毒症状が無くなるらしい)
しかもその治療を、三度受けたというのだからあいた口がふさがらない。

そんな不摂生をしながら、こんなパフォーマンスを維持できると考えるほうがオカシイではないか。

しかし、そんな疑念を晴らす機会が来た。

忘れもしない、2014年3月。
東京ドームの「14リックスコンサート」の話だ。
この時すでにメンバーは70歳になっている。

実際の生演奏となれば、誤魔化しはきかない。
正直、最後を看取るつもりでコンサート会場に出かけたのである。
ホントにボロボロの演奏でも生きて動いている、ストーンズを見るべきだと思ったのだ。

今回の来日でたぶん、最後だろうとも思った。
もう、ミック、寝ててもいいぞ・・・・そんな気持ちだった。

しかし、正直そのパフォーマンスにぶっ飛んだ。
本当にその生演奏は、2006年のコンサートと比べても、2003年と比較しても、1990年の東京ドームコンサートを引っ張りだしてきたとしても、決して引けを取らないものだ。

キースやチャーリーワッツの演奏が円熟味を増したのはまだ理解できるところだが、ホントにミックのボーカルには驚いた。
その声量が落ちていないばかりか、音域が広がって、更にパワフルになったとすら感じられた。
そして、70歳でありながら東京ドームの舞台の右端から左端まで、全力疾走して見せたではないか。
観客の40〜50代のオヤジたちは、立っていられなくて椅子に座ってしまっているのにだ。

これを奇跡と言わずに、何というべきだろう。

心の底からミックに謝罪する。
コンピュター合成だなんて疑ってごめんなさい。
あんたはスゴイ。
伊達に1000人の孫を持ってはいない。

個人的な感慨として、こんな70歳もあるという実例は励みとなった。
たぶん日々継続していくことで、こんなカッコイイ70歳が出来上がるのだという事実を、証明して見せてくれた。
もしかすると自分がこんな70歳になる可能性も、ゼロではないだろうと思えるではないか。

そしてまた敷衍して考えれば、ローリングストーンズという奇跡が、この先、先進国全体に蔓延するであろう「少子高齢化社会」にとって、大いなる希望として輝くことだろう。

その気になれば、死ぬまで働けるっちゅう事ですな。

なにはともあれ、このアルバムにはそんな奇跡が詰まってます。

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posted by ヒラヒ・S at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ロック音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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