2016年10月15日

『キック・アス』舞い降りた「アニメ・ヒロイン」と現実の痛みを解説してみる

リアル・アニメ・ヒロイン



評価:★★★★ 4.0点

この少女がギャング相手に暴れまくり、殺しまくる映画を見て、ハリウッド映画のヒット要素、刺激的なアクションも来るところまで来たなと・・・・・
正直、最初に見たときはゲンナリしたものです。

キック・アスあらすじ
NYの高校生デイヴ(アーロン・ジョンソン)は、スーパーヒーローに憧れ、インターネットで買った自前のスーツとマスクを身に付け、ヒーローを目指して街に出る。犯罪者を見つけ戦いを挑むが簡単に返り討ちに会う。しかしメゲズにパトロールを続けると、その動画がネット上で拡散し“キック・アス(Kick-Ass)”とよばれる。そんな時、キック・アスは街の犯罪帝国を仕切るフランク・ダミコ(マーク・ストロング)に復讐するため、戦闘訓練を続けてきた父娘、“ヒット・ガール”(クロエ・グレース・モレッツ)と“ビッグ・ダディ”(ニコラス・ケイジ)に出会う。“キック・アス”も彼等と共に戦うことを決意する・・・・・。

(アメリカ・イギリス/2010年/117分/R-15/監督マシュー・ヴォーン/脚本ジェーン・ゴールドマン・マシュー・ヴォーン/プロデューサー,ブラッド・ピット)

いくら刺激がほしくっても、小学生の女の子に殺人をさせて楽しむというのは、人としていかがなものかと思うわけです。

これは社会全体の平穏というものを、脅かしはしませんか!?

そんな怒りを覚えたのですが・・・・・・・・
どうも・・・・
何かチガウキガスル・・・
と思いだしました・・・・・・


kICKASS.jpgなにやら、そんな怒りを向けるには、どこか現実味がなく、フワフワ宙に浮いているような世界観といい、アクションのどこかビジュアルに凝った様子とか、これはどうも真正面から反対するのもどこか大人げないと、そんなフンイキが画面から漂ってきます。

この違和感を追求してみたときに気が付いたのは、この映画はリアリティの上に成立する現実の痛みや苦しみを描こうとしてはいないという事です。
例えば、過去のアメリカン・ヒーローとは、スーパーマンにしてもバッド・マンにしても、数奇な運命を背負って正義のために闘う、一種の超越者であり、神の代理人だったはずです。
したがって、その闘争はあくまで世界を正しく美しい方向に導く戦いだといえるでしょう。
参考アメリカンヒーローの系譜:『デッド・プール』アメコミ・ヒーローの現在

しかし、この映画は違います。
ヒーローが「オタク=夢想家」でヒロインが「少女=小さい弱者」であるとき、この二人を足せば「弱い一般人が夢の中でヒーローになって暴れる物語」だといえないでしょうか。

それゆえ、ここでは人が生きる上での苦悩を消し去って純粋に、華やかな、派手な、見栄えのする、爽やかですらある、アクション・シーンを表現する事こそ、その物語を最も効果的に表現する方法だったはずです。

しかし、見ているうちに、この現実の痛みを伴わない、どこか「様式的」なライトなアクション感覚はどっかで見た事がある!と思えてきました。
頭の中をひっくり返してみて、このヒロイン像が我々日本人にとって、とっても馴染み深い存在ではないかと気が付きました。
この戦う少女の肖像、強大な敵に傷まみれになりながら立ち向かうイコンとは、日本の伝統芸クール・ジャパンの代表セーラームーン、プリキュアに連なる「アニメ・ヒロイン」に他なりません。
だからこそ、どこかジャパニメーション的な日常描写と、軽快で爽快感があるファンタジックなアクションが表現されたのではないでしょうか。
また日本のアニメ・ヒーローが、「小学生の子供達が夢の中でヒーローになって暴れる物語」であるとき、そこには子供にとって判りやすい記号的な「悪」が登場するという点でも、共通するものではないでしょうか。
se-ra-mu-nn.jpg

つまり、この映画はハリウッド作のアニメ・ヒロインだと思うのです。

しかし残念がら、そう考えた上でも、実写映画はアニメほどの抽象力を持ち得ないということがハッキリしたように個人的には感じました。
やはり現実の人間が動く時、どう描いてもアニメのような現実的世界からの跳躍=異化作用に乏しいように思うのです。

正直見ていてこの少女の運命に同情を禁じ得ませんでした・・・・・
たとえば、人型ロボットだったらと考えたりもしますが・・・・・・・

いずれにしても痛そうに感じちゃったので、それゆえ☆4.0でカンベン願いたいです。


翻って、ジャパニメーションが現実的な映像になった姿を想像すると・・・・・・トテツモナク痛いっす。

と書いてから、時がたち、もう一度見てみると・・・・恐ろしいことに、目が慣れてる・・・・アクションの刺激とはどこまで過激に過剰になっていくんだろう・・・・
ミーカ vs. レッドワン【Kick Ass (We Are Young)】キック・アス挿入歌


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posted by ヒラヒ・S at 20:36| Comment(3) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!私はもうファンタジー映画だと思ってます(笑)クロエちゃんは人間ではなくどっかの星から来た女の子だと( ̄▽ ̄)地球外生命体ですね〜🎵あっちの男子はモロ人間で(笑)アラゴルン(ロードオブの)に「勇気だけでは勝てぬ」と怒られたらいいと思ってますわ。
Posted by ともちん at 2016年10月15日 21:37
>ともちんさん
ありがとうございます(^^)
そうですねぇ〜ファンタジ〜なんですよね〜
でも実写で血が飛んだりするのが、ちょっとヤリスギのような気がしたんです。
ところが、何回か見ているうちに、馴れてきました・・・・
Posted by ヒラヒ・S at 2016年10月15日 22:32
慣れって恐ろしいですね・・
『SAW』という映画を見て以来どんなホラーを見ても怖くなくなりました。観てるうちに慣れていくんですいね〜。
しかし、クロエちゃんは可愛いですね(゚∀゚ )
Posted by いごっそ612 at 2016年10月16日 06:45
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