2016年10月06日

写真家『蜷川実花』アイドルと原色を永遠に封じ込めた作品

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蜷川実花
(にながわ みか)1972年東京生まれの日本の女性写真家、映画監督。
演出家・映画監督の蜷川幸雄とキルト作家の真山知子(蜷川宏子)夫妻の間に第一子として生まれる。
桐朋女子高等学校、多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。
【受賞歴】
1996年、第9回写真3.3m2展(ひとつぼ展)・グランプリ。
1996年、第13回キヤノン写真新世紀・優秀賞。
1998年、第9回コニカ写真奨励賞。
2001年、第26回木村伊兵衛写真賞。
2006年、第13回VOCA展大原美術館賞。
【映画】
『さくらん』(2007年)
『ヘルタースケルター』(2012年)


この写真家が表現するビジュアルは、極彩色で、ねっとりとした、色とフォルムに満ちています。そんな過剰なほどの濃厚さは、熱帯の持つ熱く燃える生命の謳歌を感じます。
蜷川実花ディレクションAKB48ヘビーローテーション

その色彩は、振袖の着物の如く豪華絢爛な美を放出しながら、しかしPOPで陽性な、独特のビジュアル世界を生み出します。


そんな生命の息吹が放出された花シリーズ
 
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生物を撮影しても、華麗に装った対象を捕らえた時、鮮烈な印象を残します。
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この写真家は、森羅万象から自分の美意識に適う対象を、無機物であれ有機物であれ抽出し、写真に定着する卓越した手腕を持つように感じます。

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その過剰な美の装いに負けない、
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今を旬として輝くアイドルを

撮影した時にこそ、その圧倒的な

生命の光芒が輝くと感じます。

夏の盛りは瞬間で

見る間に翳リ行く陽光を

熱く燃え立つ燦然たる姿のまま
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永遠として定着しようとする

試みがここにあると思うのです。

写真家蜷川美香の作品とは、

生命力の頂点で燃える血の色を

写したものではないでしょうか。


蜷川実花ディレクションAKB48さよならクロール


写真集 /左「girls' holiday!」/中「永遠の花」/右「桜」











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ラベル:蜷川実花
posted by ヒラヒ・S at 17:53| Comment(4) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月09日

『写真家ロバート・メープルソープ』性的マイノリティーのポートフォリオ

新たなる官能性


ロバート・メイプルソープ(ROBERT MAPPLETHORPE/1946-1989/アメリカ)
メイプルソープは静物、ポートレート、ヌード、セックスというテーマを持って制作活動をしていました。しかしコマーシャルな写真を含め、どんなテーマであっても通底する美意識がこの作家の凄みだと感じます。
メイプルソープは1970年代〜80年代に精力的に創作活動を行いますが、この時期は性の解放と性的マイノリティーの権利獲得が社会的テーマでした。彼は自らがゲイであることもあって、同性愛やSMを自らのアートとして表現しサポートしたのです。それは“Xポートフォリオ”という作品群でSM、性行為そのもの、性器などが表現され芸術か猥褻かの論議を巻き起こすことになります・・・・

評価:★★★★★  5.0点

貧しい若者だったメープルソープは、貧しい少女と出会い恋をする。その相手が、ニューヨーク・パンクの女王パティー・スミスだ。二人は一緒の部屋に暮らしていたが、メープルソープが自らのホモ・セクシャリティーに気付いてからは、別々に生活をした。しかしこの二人の間には、終世に渡り愛情と敬意があったと言う。

右はパティー・スミスCD『ホーセス』
ジャケット写真はメープルソープ

BGMパティー・スミス『ホーセス』

パティー・スミスを写した1枚。patismit.jpg





職業カメラマンとしての実力は、スターのポートレートの美しさが証明している。


上左:ブルック・シールズ
上右:シガニー・ウィーバー
下左:スーザン・サランドン
下右:グレース・ジョーンズ
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男性を撮る時、セクシャルな色合いが濃くなるように感じる。
白と黒の肌の質感が凄い。
この諧調の繊細さ。
卓越した技術を物語る。





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黒人ヌードは彼の主要モチーフ。
フォルムの力強さと質感。
男の体にも美があると
感じさせる一枚。

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カメラは撮る人間によって、同じ男を撮ったとしても、まるで違う顔を見せるのだと教えてくれる。
この写真は性的な対象としての、官能を秘めた一枚だと感じる。
しかし例えば、女性が撮る男とも、男性が撮る女とも明らかに違う官能性を秘めているだろう。


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個人的に好きなのは
花シリーズ。
ただの花も撮る人間によって、
こうもエロチックに見える。
それでいて少しも下卑ない
洗練が好ましい。






メープルソープの画集



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posted by ヒラヒ・S at 19:09| Comment(6) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月03日

『写真家ジャンルー・シーフ』エレガンスの狩人

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ジャンルー・シーフ
(ジャンルー・シーフ/フランス/1933年11月30日 - 2000年9月20日)
1955 年フランス『エル』誌の写真リポーターとしてデビュー。若くして頭角を現し1959年ニエプス写真賞に輝く。マグナム写真家集団に短期間所属しルポルタージュを得意としていたが1960年代ニューヨークに滞在し、世界的なファッション雑誌でパリとニューヨークを往復しながら華やかに活躍した。





この写真家はファッション写真のエレガントさと華やかさ、そして上質感が素晴らしいと感じます。そんな特徴を表した、あまりにも有名なイブサンローランの広告写真。
モデルはカトリーヌ・ドヌーブです。
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人間が衣装をまとうことの緊張関係を感じます。
優美でありながらソリッドな一枚。


ドヌーブの写真を使ったCDジャケット
テッド・ローゼンタール「You'd Be So Nice To Come Home To」をBGMにどうぞ



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モデルを見る視線。
どこか硬質な厳しさ。
やはり自他との境界を
形にして結ばれた像。
モデルは後藤久美子。


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大理石のような冷厳な線。
塑像のように完璧なフォルム。
古典的なアートの伝統を感じさせる一枚。


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自然をとっても、線と形に対する視線は、揺るがない。
モノの持つ根源的な要素を際立たせ、構築された写真に見える。


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そんな、冷徹な眼をもつ
この写真家がとった
ベストマッチングなモデルが
シャーロット・ランプリング
のように思います。







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一番好きな作品。
この写真家の本質は、
無機物を見るような、
眼差しなのだろう。
生命体であっても、
冷たいフォルム
に還元する。
それゆえ、ヌードであっても
大理石のような潔癖さ
を持つのだろう。
つまりは、現実を己の
エレガンスに従属させ
ているのだ。







ジャンルー・シーフ写真集



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posted by ヒラヒ・S at 20:36| Comment(4) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする